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「黒染め・白髪染めで真っ黒になった髪」は明るくできる?ハイライトで修正する手順と注意点

「もう明るい髪には戻れない」と諦めていませんか?

「白髪を隠すために染め続けていたら、いつの間にかカツラのように真っ黒になってしまった」
「少し明るくしたいとオーダーしたら、『黒染めが入っているから無理』と断られた」

そんな経験はありませんか?

一度濃い色素で染まった髪を明るくするのは、実は美容師にとっても非常に難易度の高い技術です。

しかし、諦める必要はありません。全頭ブリーチをして髪をボロボロにしなくても、「ハイライト」を上手に使うことで、段階的に明るく透明感のある髪を取り戻す方法があります。

なぜ、白髪染めをした髪は「普通のカラー」で明るくならないのか?

まず、なぜ断られてしまうのか、その原因を知っておきましょう。

原因は「残留色素」

白髪染めや黒染めの薬剤には、白髪をしっかりカバーするために非常に濃い「黒褐色の染料」が含まれています。

この染料は髪の芯まで強く定着するため、普通のファッションカラー(おしゃれ染め)の力では、この黒い色素を破壊できないのです。

その結果、根元だけ明るくなって、毛先は真っ黒のまま……という「逆プリン状態」の失敗が起きてしまいます。

解決策:ハイライトなら「ダメージ最小限」で明るくできる理由

そこで有効なのが「ハイライト」を使った修正(カラーチェンジ)です。

全頭ブリーチ vs ハイライト修正

真っ黒な色素を抜くには「脱色剤(ブリーチ)」が必要ですが、髪全体に使うとダメージが甚大です。

一方、ハイライト修正では、「髪全体の約20〜30%」だけを細かく間引いてブリーチします。

メリット1: 髪の7割以上はブリーチしないため、手触りやツヤを温存できる。

メリット2: 縦のラインが入ることで、ムラっぽさが「デザイン(立体感)」に変わる。

メリット3: 段階的に明るくしていくため、失敗のリスクが低い。

【実例紹介】真っ黒・赤茶けた髪からの脱出劇

実際に、他店での白髪染め蓄積により「暗く重たい髪」になってしまったお客様が、ハイライトでどう変化したかをご覧ください。

事例①長年の白髪染めで「赤茶色」に固まった髪

【Before】 典型的な白髪染めの残留色素による、強い赤みと重さがある状態。

【After】 コントラストハイライトを入れることで、赤みを削り取りました。一度の施術でここまで赤みを消し、透明感のあるアッシュ系にチェンジ可能です。

事例②黒く沈んでしまったボブスタイル

【Before】 繰り返し染めたことで色が濁り、透明感が失われた状態。

【After】 表面中心に細かくハイライトをオン。黒い色素を少しずつ壊すことで、光に透けるような柔らかいベージュブラウンが復活しました。

事例③赤みとムラの強い髪へのカラーコントロール


【Before】長年の白髪染めが原因で「赤み」が強く出ており、毛先と根元で色が違うムラが目立つ状態です。「明るくしたいけど、赤みが出るのが怖い」というお客様の悩みが強い状態です。

【After】全体に極細のハイライトを入れ、赤みの反対色であるアッシュ系を丁寧に重ねて、ムラを均一にコントロールしました。濃いめのトーンでも透け感が生まれ、ツヤとまとまりが格段に向上しています。

【重要】修正する前に知っておいてほしい「3つのリスク」

私たちはプロとして、良いことだけでなく、注意点も正直にお伝えします。

「一発でホワイト系」は難しい場合があります

黒染めの残留が強い場合、一度のハイライトでは「明るい茶色」までしか抜けないことがあります。

無理に抜くと髪が切れてしまうため、2回、3回と回数を分けて理想の色に近づける「育てるカラー」をご提案することがあります。

最初は「暖色系(赤・オレンジ)」になりやすい

黒い色素が抜ける途中経過で、どうしてもオレンジ味が強く出ることがあります。

その場合は、アッシュやマット系の色を被せて、オレンジ味を抑える調整を行います。

施術時間がかかります

通常のカラーよりも、ホイルワークや色素の抜け具合のチェックに時間がかかります。

初回は3時間〜3時間半ほどお時間をいただく余裕を持ってご来店ください。

まとめ:その黒髪、私たちなら何とかできるかもしれません

「他店で断られたから」と諦めて、市販のブリーチで自分でやろうとするのが一番危険です(ムラになり、取り返しがつかなくなります)。

真っ黒になってしまった髪を、透明感のある素敵な髪色に戻すには、専門的な知識と技術が必要です。

ハイライト専門店である私たちには、数多くの「お直し実績」があります。

「私の髪でも明るくなる?」 まずはカウンセリングだけでも大丈夫です。

現在の髪の状態を見させていただき、最短で理想の髪色に戻すプランを一緒に考えましょう。